author:aoto
2024.02.09

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現在Twitch配信・YouTube動画公開も行っている鉄拳8だが、以前の記事にもある通り筆者は鉄拳8(というかシリーズが)が大嫌いかつ毛程も面白いと思っていない。

以前記事にも書いた通り、鉄拳は不快なキャラクターを集めた爽快感皆無・操作性最悪の格闘ゲームという認識で、今現在でも配信・動画用にプレイしていてストレスしか感じていない。

今回はそんな鉄拳8のどこがそんなにつまらないのか?を解説した記事を書きたいと思う。

なお、この記事作成にあたってメモに面白くない箇所を書き出したら100箇所以上あったのだが、これはもう一周回って鉄拳が好きなのだろうか。

初心者向けではない

よく記事やプロゲーマーの人の配信等で「鉄拳8は初心者向けになってる」や「爽快感がある」と言われているのだが、後者は個人の価値観なので除外するとしても、筆者は初心者(新規)向けというのは違うと思っている。

真新しさが皆無で代わり映えしない

鉄拳8は新規プレイヤーを開拓したいのか、ヒートといった新システムを搭載・山ステ(高速バックステップ)が必須クラスだったゲーム性をオフェンス寄りに調整、新規に鉄拳を始める人に向けて「簡単になった」・「爽快感がある」といったアピールを行っている。

ただ、筆者が見た感じ前作の鉄拳7と根本は変わっておらず、7で培ったノウハウは殆どそのまま通用(寧ろ技の追加で強化されている)してしまう。

山ステに関しても鉄拳8ではバックステップが早くなったので相対的に使用頻度は下がっているが、筆者はこんな事をするのであれば最初から廃止してしまえばいいと思っている。

恐らくずっと山ステを練習して使い込んできたプレイヤーの気持ちを考慮しての調整だろうが、プレイヤーの意見を全部組み込むという事は出来ないし、刷新するのであればこういう所から新しくゲームデザインを見直すのが筋だろう。

鉄拳は毎回ユーザーの意見を広く拾おうとして結果中途半端になったり、伝統を大切にして代わり映えしなくなったりという事が多い。今回もまさにそれである。

そんなに伝統や往年のファンが大事なら、下手に新規にアピールなどせず突き進んで廃れていけばいい。

タッグトーナメント2を思い出す

筆者は最初に鉄拳8をプレイした時に、かつてゲームセンターで軽くプレイしていた鉄拳タッグトーナメント2を思い出した。

これも新規プレイヤーに向けて似たようなアピールをしていたものの、結局は鉄拳6と大差無いゲームだったので稼働初期に筆者含む初心者帯は一気に淘汰された。

ゲーム性も後述する代わり映えのないものだったのもあって、筆者も特に練習・やり込む事もなく他のゲームに行った思い出がある。

鉄拳8に関しても根本的な部分は7と大差は無く、ナンバリングタイトルというよりは出来の悪いバージョンアップ版という感じが強い。

特にスペシャルスタイルは完全に蛇足機能となってしまっていて、ストリートファイター6のモダンの様にライトユーザーの選択肢にはなり得ない。

該当記事でも述べているが、モダンは本当に画期的で良く考えて設計された素晴らしいシステムだと思う。

当然ヒートやスペシャルスタイルを駆使すれば新規勢が7経験者といい勝負になるよ!という事はなく、結局7の経験値がそのまま強さに直結しているので淡々と処理されて終わってしまう。

ヒートが調整不足

ヒートシステムはゲームをよりオフェンシブにする調整に思えるが、いざプレイして使用してみるとかなり大味な使用感かつ制御が難しい。

ヒートバースト自体は好きな時に出せる・切り返しとしても優秀で使い易いと思うが、癌なのはオートでヒート発動してしまうヒート発動技だ。

立ち回りで使う技がヒート発動技になっているので、意図しない箇所でヒートを発動・勝手に走り出してしまい、攻めている筈なのに二択が強制されてしまう。

強制的に展開を動かす事を狙った自動発動なのだろうが、立ち回りが制限されるストレスの方が勝っている蛇足機能だと思う。

結局いつもと変わらない

筆者がAIアドバイスを活用してランクマッチをしているのでよくわかるが、鉄拳は突き詰めると”キャラ対策”と”確定反撃”が物を言うゲームだ。というかそれしか無い。

これは前作の7でも変わらないし、それ以前のシリーズでもそうだった。だから動画の毎Partで撮れ高に悩まされる。

シンプルに対戦キャラクターの確定反撃チャレンジを延々プレイしたり、特定の強力な技の対策を考えるというのが強さに直結するのだが、これが面白いか?と聞かれると筆者は微妙だと思う。

折角新規プレイヤー向けにシステムを追加したり調整をしても、やっている事は昔と同じで代わり映えがしない。

新規プレイヤーも馬鹿ではないので、最初感じたコンボの爽快感に慣れてきたら一気に飽きて離れていくだろうし、この単純作業が面白い・ずっと続けようと思う人もいないとは言わないが少ないと思う。

もう一度言うが、このゲームは新規・初心者向けではない。新規・初心者の人は全く面白くない賽の河原の石積みを毎日淡々とプレイする様なストレスを覚悟して欲しい。

ゲーム性の話

さて、ここからは鉄拳8のゲーム性に関する話をしようと思うが、鉄拳に限らず格闘ゲームというのは基本的にシステムの根底に三すくみのジャンケン要素がある。

鉄拳8の三すくみ

鉄拳の場合は間合いに入り込んでパンチやキック等を行う「攻め」、その攻めの出鼻をくじく為に予め判定の強い技を置いておく「置き」、最後にその置きをかわしてカウンター攻撃を行う「スカ確」この三すくみとなっている。

このジャンケンをプレイヤー間で繰り返すのが鉄拳の対戦だ。

ここまでボロクソに言っているが、筆者はこの鉄拳の三すくみ自体は好みだし面白いとも思っている。マズいのはこの味付け(調整面)だ。

防御側が強過ぎる

この三すくみは基本的に防御側が圧倒的に有利で、伝統的にガードがかなり強い。

鉄拳はリターンが大きい攻撃というのは上段・中段攻撃に集中しており、下段は崩せはするもののリターンが伴わなかったり使いにくかったりとクセが強い。

極端な話、只管距離を取って立ちガードを固めながら確定反撃可能な攻撃を待って上記の「置き」を狙う寒いプレイをする方がアグレッシブに攻めるよりも強いのだ。上記の山ステが強い・必須となっているのもここに理由がある。

差し合いといえば聞こえは良いが、これが格闘ゲームとして面白いのか?と聞かれるとどうだろう?。爽快感があって面白いと言えるだろうか。

こういった状況を打開しようと鉄拳8ではヒートといった新しいシステムを組み込んだものの、結局中途半端でやる事は前作7までと変わらない。

勘違いした技調整

鉄拳8は上記の様に防御側が有利なのもあって、大体どのキャラも駆け引き関係なしの技性能だけで対処を知らなければゴリ押しできる技を持っている。

これがあるので上記の様にキャラ対策や確定反撃がゲーム性の根幹となるのだが、新キャラのヴィクターはこれが特に酷い。

話題になっている投げもだが、他にもクソ技が多いヴィクター。スペシャルスタイルとの相性もいい。

ヴィクターに限らずこういった所謂クソ技は対戦が大味かつ単調になってしまう(そればかりを連発する為)のだが、鉄拳の場合はメーカーがそれをアグレッシブで爽快感があって楽しいものだと勘違いしている節がある。

前作の7でいえば初期豪鬼やファーカムラムやリロイ等の課金キャラクターがその勘違いの筆頭だろう。

新規プレイヤーに向けて新キャラを強く調整するのは登場時期的にも良い(課金キャラクターなら尚更)と思うし、そのクソ技やキャラクターがメーカー側が提案したい物であれば受け入れる。

ただ、こういったキャラクターや技がすぐにアップデートで弱体化されるどんぶり勘定が問題で、この調整の影響で折角対策しても無駄になってしまう等対戦がより浅いものになってしまうのが鉄拳の下らなくてつまらない所だ。

強いと思って購入したらアップデートで一気に弱くなってしまったというのも展開的には萎えてしまうだろうし、折角練習した物が使えなくなるのも面白くないので、クソ技やキャラクター追加も結構だが良く考えて追加・調整をして欲しい。

世界大会EVO JAPAN2020の鉄拳7部門のファイナルの面子だが、違和感を感じないだろうか?

真面目に責任を持って面白くなると思って実装しているのであれば、上の写真の様な惨状も「コンセプトだ。これがメーカーがやりたかったものだ。」位言ってそれを貫いて欲しい。

このリロイの件は当時ニュースにもなったので有名だが、上で挙げている鉄拳7初期の豪鬼はクソ技の観点から言えばこれよりも更に酷い。

鉄拳8でも早速2024年2月7日に弱体化調整を含んだアップデートが配信されたが、何の為にβテストやテストプレイをしたのかと思う。

βテストをプレオープンか何かのPRイベントと勘違いしていないだろうか。

最悪の操作性

筆者は上記の通り鉄拳は不快なキャラクターを集めた爽快感皆無・操作性最悪の格闘ゲームという認識なのだが、この操作性の悪さというのが実質的に一番のストレスと言ってもいい。

初心者中年のAI鉄拳8の動画インデックス記事でも書いたが、リバーサル(起き上がり)とキング(特殊投げ抜け)が鉄拳の初心者バイバイ要素の最たるもので、これに拍車をかけているのが操作性の悪さに他ならない。

しゃがんでいると奥方向にしか移動が出来なかったり、バックステップの連発にも間にしゃがみ等の行動を挟まなければならなかったり(上記山ステがコレに該当する)、直感的に動かせてナンボの3D格闘ゲームでこの辺りの操作性が複雑かつ非常に悪い。

鉄拳をプレイした事がある人は初心者時代に誰でも一度は経験があるだろうが、画面端に追い込まれてダウンさせられて操作性の悪さから何も出来ずに一方的にやられるという事は往々にしてある。

キャラクターを動かして楽しい!というのが基本の格闘ゲームにあって、上記三すくみや操作性の悪さから動かしていて全く楽しいとは思わない・ストレスを感じるというのは結構致命的な問題だ。

総括

長々と書いたが、以上が筆者が鉄拳8がつまらないと思っている理由になる。

今回の記事は筆者が常日頃から配信等で発言している「不快なキャラクターを集めた爽快感皆無・操作性最悪の格闘ゲーム」という評価をより掘り下げて記事にしたもので、これでも記事用にメモ書きしたポイントを朝方3時まで厳選に次ぐ厳選を行って短くまとめたつもりだ。

冒頭でも述べたが、最近一周回って鉄拳が好きなんじゃないか?と思い始めている。