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この繁忙期のクソ忙しい時に応募していたストリートファイター6のβテストに当選してしまい、1日プレイする時間を設ける為に仕事(コーディング等)のペースアップを行って1日だけ夜中にぶっ通しプレイ(そのまま徹夜で仕事に…)してきた筆者。

最初にざっくり感想を述べると、1日でかなり楽しめた・このゲームは来年の格闘ゲームシーンにおける覇権になるだろうとも思った。

eスポーツだのなんだのと競技性ばかりが取り沙汰される昨今、久しぶりに昔の格闘ゲームが持っていた「純粋な殴り合いの楽しさ」がしっかりあったので、βテストなのも忘れて夜通しぶっ続けで対戦する位にはハマった。

今回の記事はそんな夜通しメモを取りながらプレイしたストリートファイター6のβテストにおけるプレイフィールを記事にしていきたいと思う。

UI周りの進化

筆者がストリートファイター6のβテストをプレイして一番凄いと思ったのがこの部分で、トレーニングモードのメニューの充実やネット対戦の待ち受け関係の操作UI等が非常に使い易く設計されていた。

特にトレーニングモードのメニューの充実ぶりは、βバージョンの段階で間違いなく現行格闘ゲーム最高峰のクオリティだと断言出来る。

特にフレーム関係の機能が素晴らしく、確定反撃の練習等の基本的な練習用メニューが過去作や現行の他社格闘ゲームタイトルと比較しても圧倒的に使い易い。

フレーム表示機能周りは特にパワーアップが著しい

冗談でも何でもなくトレーニングモードだけでゲームとして成立するレベルなので、発売後は只管トレーニングモードに籠もって研究する人も一定数出ると思う。

バトルテンポも大幅にアップ

今回βテストではバトルハブでの対戦のみの限定公開となっていたが、連戦機能といった対戦機能のUIも一新されてテンポが非常に良くなっている。

戦闘終了後の勝利アニメーションからシームレスに連戦関係のメニューが表示され、試合毎の待ち時間が殆ど無いのでストレスが無い。

試合内容を反省している時間もない程試合間のテンポは良い

今回のβでは同じ人と100戦以上対戦しているが、このテンポの良さもあってあっという間・気が付いたら朝という感じだった。

共通システムの設計が秀逸

筆者は上記の通りプレイする時間が限られていたので、トレーニングモードで少しキャラクターを動かして使用キャラクターを絞った後は只管バトルハブで対戦を行っていた。

幸い強さ的におそらく1回目のβテストも参加していたであろうシステムを使いこなしているジュリの人が結構連戦をしてくれたので、システム周りやストリートファイター6における強い行動の把握は早かった。

深夜・早朝に100戦以上対戦していただき、ありがとうございました

ストリートファイターシリーズは伝統的に共通システムのキャラクター差が大きく、共通システムが共通システムとして成立していない事の方が多いのだが、ストリートファイター6の共通システムであるドライブシステムは過去作とは比べ物にならない位重要度が高くなっている。

直感的に使える共通システム

格闘ゲームは対戦相手とのレベル差が面白さに直結するゲームジャンルだ。同じ位の相手と勝ったり負けたりするのが理想的で、一方がレベル差的に勝ちすぎたりしてしまうと負けている方は全く面白くない。

良い格闘ゲームは初心者が上級者に勝つ為に共通システムを使いこなす為の導線の引き方が上手いのだが、ストリートファイター6もこの例に漏れずシステムの使わせ方が秀逸だ。

ストリートファイター6のドライブシステムは、一括りにまとめてもドライブインパクト・ドライブパリィ・オーバードライブ・ドライブラッシュ・ドライブリバーサルと一見複雑に見える。

更にゲージ周りのシステムも過去作から大幅に変わっているのもあって、とっつきにくく複雑な印象を持つだろう。

ドライブインパクトは今作における最重要システム

ただこれらシステムは使ってみると簡単操作で使う事が出来るというのもあるが、システムの特性が直感的に分かり易い(使うべき状況がすぐに見える)のですぐに使いこなせるように設計されている。

システムが使いこなせる様になると当然勝率は上がるので面白くなるし、システムを駆使した読み合いを楽しむ事も出来る様になってより対戦が深く面白くもなってくる。使用状況が限定されず1試合に沢山使っていけるのもあって、数戦プレイすればすぐに慣れる事も出来るだろう。

安直に初心者救済システムを入れたり、共通システムのキャラクター差を大きくして初心者向けのキャラクターを用意するといった事をしなかったのは本当に良かったと思う。

ゲームなのだから技術差があるのは当たり前で、それを練習して上達する所にゲーム性やカタルシスがある。安直な初心者救済システムを入れても、結局悪用されて本来の救済対象である初心者を上級者が駆逐するのに使われるのがオチだ。

ドライブインパクトの攻防が面白い

上記と前後するが、ストリートファイター6の共通システムであるドライブインパクトは、これを絡めた攻防というのが非常に面白い。更に言えばストリートファイターシリーズの伝統的に面白くなかった部分の改善にもなっている。

伝統的にストリートファイターシリーズは待つ方が圧倒的に強い。

CPU戦において先に攻撃を当てた方にファーストアタックボーナス点が入るのも、攻める方が不利だからという理由に他ならない。

特に前作ストリートファイター5では、待ち・下がりがフィールドの広さや全体的なリーチの短さも相まってシリーズを通してみてもかなり強い安定行動となってしまっているのだが、こういった立ち回りをストリートファイター6でやると割と大変な事になる。

下がる事がそもそもリスクになってしまう

ドライブインパクトは発動するとドライブゲージを消費してゆっくりとした動きでアーマー付きの移動攻撃を出すのだが、これをガードすると後ろ下がり(ガードバック)が発生する。更にこの状態で画面端に到達するとよろける様な形となって隙を晒しながらダウンしてしまう。

このガード時に下がる距離がかなり長く、大体画面7分目位からガードさせると画面端到達でよろけさせる事が出来る位長い。

画面端到達よろけからのリーサルはかなり多い

これがあるので下がる事自体がリスクになり、画面端では相手のドライブインパクトを見てからこちらのドライブインパクトを合わせる(ドライブインパクトは後出しした方が必ず勝つ)といったアグレッシブな読み合いも発生する。

相手のドライブインパクトを見てからこちらのドライブインパクトを決めるのが気持ちいい

この画面端の読み合いがストリートファイター6は非常に面白く、下がる事に対してリスクを負わせつつ一発逆転要素も持たせた設計はよく考えられていると思う。

この部分の爽快感からくる中毒性とテンポの良さが、このゲームの面白さの根幹といって良いだろう。

ゲージ設計の見直しも正解

ストリートファイター6は従来までと異なり、オーバードライブ技(前作5のEX技に相当)はドライブゲージ、スーパーアーツ(前作5のクリティカルアーツに相当)は画面下のスーパーアーツゲージと独立したゲージシステムになっている。

ドライブゲージは最大で始まるので開幕から各種ゲージシステム(ドライブインパクト等)やオーバードライブ技を使う事が出来るのだが、ゲージが無くなると一定時間ドライブゲージを使う事が出来ないバーンアウト状態になってしまう。

自分の攻撃で相手のゲージを削ってバーンアウトさせると大チャンス到来となる

このバーンアウト状態は回復までにかなり時間がかかり、この間に相手のドライブインパクトを食らってしまうと気絶して大きな隙を晒してしまう。

ちなみに、ストリートファイター6の気絶(ピヨり)はこのバーンアウト状態で相手のドライブインパクトを食らった際にしか発生しない。

こういった理由から当然バーンアウトさせない様にドライブゲージを運用していく事が望ましいのだが、このドライブゲージ運用のペース配分や駆け引きもストリートファイター6のゲーム性のアクセントになっている。

バーンアウト寸前なのでオーバードライブは無いと思わせてオーバードライブをぶっ放すといった荒技も

従来まではゲージを温存したりゲージ効率を考えて立ち回る形にシステム上どうしてもなっていたが、ストリートファイター6は最初からフルゲージの状態で始まる・ドライブゲージは自動回復するので、開幕からアグレッシブな読み合いを仕掛ける事が出来る。

このドライブゲージシステムで筆者が面白いと感じたのは、相手のゲージをこちらの攻撃で削る事が出来るという部分だ。これがあるので相手にバーンアウトさせられる危険性が常に付き纏う事になり、ゲージマネジメントを行う上で相手の攻撃やそれに付随する読み合いというのが避けて通れない。

こういった部分からも上記で述べている待ちゲーからの脱却・格闘ゲームとしての爽快感や楽しさを追求した部分が見て取れるのだが、このゲージ周りのシステムの見直しは大正解だと思う。

モダンモードはもう少し改善が必要

ストリートファイター6ではモダンやクラシック等操作モードを選択する事が出来るが、この内モダンモードは正直今の仕様のままなら最初かなり猛威を振るうと思う。

具体的には技性能や簡単に入力出来る事のリスクをもう少し考えた方が良いと感じた。

元々ストリートファイター5の時点からeスポーツを謳いながらデバイス差があるのはどうなの?と思っていたのだが、正直この部分…というかモダンモードにおける一部の技はデバイス差よりも上記のゲーム的な面白さをぶち壊す要因になりかねない。

勿論まだβ段階なので来年6月の発売までには様々な変更が入るだろうが、正直筆者はこのモダン等のモード分けは必要無いとすら思う。

簡易入力も必要ない

今回のβテストで筆者はジェイミーを使っていたのだが、ストリートファイター5よろしく今回もガバガバ簡易入力の影響からスーパーコンボが高頻度で暴発する。

体感的にはストリートファイター5の時よりも暴発が酷く、特に昇龍拳コマンド()や真空波動拳コマンド()の簡易入力からくる暴発に悩まされた。

上記の様にモードを分けるのであれば、そもそもクラシックモードに簡易入力は必要無いと思うし、離し入力の有無を設定出来るのであれば簡易入力の有無も選択させて欲しい。

伝統なのか初心者救済なのか何なのか知らないが、そもそもしゃがみながら昇龍拳が出る(等)方がゲームとしておかしいと思う。

対戦動画

個人的にはかなり好感触だったストリートファイター6のβテストだが、最後に100戦以上対戦してくれた上記のジュリの人との対戦を何試合か編集したものを掲載しておく。

プレイ初日なので自分でもかなり下手だと思うが、βテストに漏れてしまった人へストリートファイター6の面白さが伝われば幸いだ。

追記

ここからは24日の公開後にメッセージ等でストリートファイター6に関していただいた質問を、折角なので追記(12/25追記)という形で回答付きで掲載していきたいと思う。

Q:パリィは強い?使いやすい?
強い。ドライブパリィに関しては、ストリートファイター5のギルのブロッキング(Vスキル)を、多段ブロッキングし易く・ドライブゲージ消費ありで使う物という認識で問題ない。パリィからのラッシュもあるので、特に飛び道具持ちに対しては使用頻度は高くなると思う。
Q:映像オプションはどんなものがある?
βテスト時のオプションには垂直同期や振動(モーションブラー)のON/OFFといった基本的な物がメニュー内に標準搭載されていた。今回筆者は垂直同期と振動をOFF・画質は最低のロー画質で対戦を行っていたが、製品版でも垂直同期と振動はOFFにしておく事をお勧めする。
Q:クラシックからモダンへの変更は楽?
人によるという前提はあるが、全く別のゲームとしてアサインを覚え直す事が得意であれば移行は難しくない。個人的にレバーよりパッドのプレイヤーの方が移行はし易いとも思う。
Q:ネット対戦は快適?
待ち受け時に相手が見つかった時に長めのラグが発生(この間入力を受け付けなくなる)して驚く以外は、日本国内同士の対戦に限って言えばかなり快適(人数を制限しているβなのであまり参考にはならないと思うが)だった。
Q:レバーレスは今回もやれる?
一部入力が変更になる所はあるが問題なくプレイ出来る。
Q:実況機能はどう?
率直に言えば「耳障り」の一言。ONにして対戦をするとデフォルトでOFFになっている理由がよくわかると思う。

記事に関する質問等はサイト内のお問い合わせより受け付けているので、気になった事があれば気軽に質問して欲しい。