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26年ぶりに復活した餓狼伝説 City of the Wolves(以下:CotW)のオープンβテストが2月20日に開始されたので、早速知人とネット対戦を重ねた上での感想をまとめてみた。
餓狼伝説 City of the Wolves
筆者のバックグラウンド
筆者は餓狼伝説シリーズを世代的にどれもプレイしてきたが、特に前作餓狼 MARK OF THE WOLVES(以下:MOW)には並々ならぬ思い入れがある。26年間やり込んできたタイトルであり、過去には3rd勢向けMOWプレイガイドという記事も書いた。
そんな背景を持つ筆者が、シリーズ最新作餓狼伝説 City of the Wolves(以下:CotW)のオープンβテストに参加・プレイしたのだが、今回の記事ではMOWとの比較を中心にその感想を語っていきたいと思う。
期待外れのゲーム性
残念ながら、CotWはシステムがブレすぎてすっかり人気の無くなった同社のKOF15(THE KING OF FIGHTERS XV)と同じ道を辿るだろう。最初こそ話題になるがやがてプレイヤーが離れていく未来が見える。
MOWを26年プレイし続けてきた筆者ですら、オープンβの1日目にしてゲーム性を把握してそのまま製品版の予約をキャンセルする程の面白くなさだった。
率直に言って駄作だ。
MOWの象徴的システムを廃止
MOWを語る上で欠かせない「0F技」や「着地キャンセル」。これらの要素がCotWでは完全に排除されている。
詳しい説明は省くが、MOWにおいてこれらのテクニックは読み合いの核となるものだった。CotWではこの駆け引きが消滅した結果、まるで炭酸の抜けたコーラのような味気ないバトルになってしまった。
筆者としては、これが駄作化した最大の要因だと考えている。
不要な新システムが多すぎる
ゲージ関連のシステムが一新され、それに伴って新システムのオーバーヒートが実装されたが、これが実際のゲーム性と噛み合っていない。
そもそも本作は対空が強いため、オーバーヒート状態になっても相手が攻め込めない。しかもオーバーヒート側もゲージ依存の行動が制限されるだけで、フレーム不利などのデメリットがない。そのため通常時と立ち回りがほとんど変わらないのだ。
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筆者のほたるがオーバーヒート状態で勝利したが、勝利に至るまでの立ち回りには殆ど変化がない。
さらにゲージを使用する「REVアーツ」も強攻撃からしか繋がらず、強攻撃を当てる機会が少ないためゲージを持て余すことが多い。結果としてオーバーヒート状態になる事も滅多にない。
実際にプレイするとわかるが、能動的にゲージを活用することが難しいストレスの溜まるゲームシステムになっている。
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能動的にゲージを使える状況が乏しく、持て余した挙げ句超必殺技をぶっ放すという単調な展開になり易い。
REVガードも不要
ボタンを押している間相手の攻撃をケズり値無しでガードし、通常のガードよりもガードバックが大きいREVガードも使い道が乏しい。
ジャストディフェンスで万事問題が無く、REVガードでなければならない状況というのが無い。
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「わざわざレブボタン増やす必要あったか?」と配信中にコメントが入る位存在意義が無い。
ガードクラッシュも仕様が噛み合っていない
CotWではガードクラッシュのゲージが可視化されているが、オーバーヒート中しかゲージが減少しない仕様になっている。上記の通りオーバーヒート状態には殆どならない為、ガードクラッシュが発生する状況自体がほぼ無い。
ジャストディフェンスをはじめ防御的なシステムが強く、対空も強力。そのうえオーバーヒートになりにくいとなれば、ガードクラッシュが機能しないのも当然だろう。
全体的に蛇足的に無駄に追加されたシステムとゲームデザインがことごとく噛み合っていないというこの不整合こそがCotW最大の問題点だ。
淡白で没個性な味気ない対戦
では、こうしたシステムのもとで対戦を突き詰めていくとどうなるのか?
結論はシンプルで、戦術の幅が極端に狭くなる。
基本的に重ねることができる技が小技しかなく、結果として小ジャンプ飛び込み→小技を重ねる→必殺技で〆るという流れを淡々と繰り返すだけのゲームになってしまっている。
ここまで書けばもうおわかりだろうが、劣化のKOF15なのだ。
キャラクターごとに必殺技の違いこそあれど立ち回りはほぼ固定化。極論を言えば誰を使っても似たような試合展開になる。
個性を活かした読み合いや駆け引きが成立せず、淡白で没個性な対戦が延々と続く。これでは長く遊ぶ魅力が生まれるはずもないだろう。
何がしたいのか着地点は明確にすべき
ストリートファイター6との相互コラボで嫌な予感がしていたのだが、ゲーム性の着地点・ユーザーにどう遊ばせたいのか?という部分は明確かつ一貫していて欲しい。
これは筆者の予想だが、今回の蛇足的でお世辞にも洗練されているとは言い難いゲームシステムは、ストリートファイター6からのコラボキャラクター(ケン、春麗)との兼ね合いもあると思う。
ストリートファイター6に似ている部分も多々あり、筆者にはケンや春麗が参戦しても不自然さが無いように設計されている様に見える。
こういった調整からか軸がブレていて何がウリなのかがプレイヤー側に伝わってこない。ストリートファイター6のパクリゲーを作りたいのか?餓狼伝説を作りたいのか?KOF15を作りたいのか?といった着地点は明確にすべきだと思う。
総括
オープンβという事で発売までの約2ヶ月でまだまだ調整は可能なのだが、筆者はおそらくこのオープンβバージョンにプレイアブルキャラクターを追加したものを発売すると思う。
オープンβ上で報告されたクリティカルなバグに関しては修正されるだろうが、肝となるゲームシステムにこれ以上修正が入るという事はないだろう。
キャラクターの技性能が調整されようが新キャラクターが追加されようが、上記の通り誰を使っても大差無い没個性的対戦が繰り広げられる事に変わりは無い。
26年愛していたMOWがこの様な形で終わってしまって非常に残念だ。