author:aoto
2023.06.15

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筆者はこの間長年愛用してきたアーケードスティックから新規にファイティングコマンダーOCTA(オクタ)へ移行し、この度便利さと強さからクラシック入力タイプからモダン入力タイプへ移行した。

元々筆者はパッド移行後クラシック入力タイプのケンでランクマッチをプレイしていたのだが、ふとしたきっかけで懸念点があった為に使っていなかったモダン入力タイプを触ってみたところ、懸念点が吹き飛ぶ位簡単便利で強かったというのが事の発端だ。

今回はこの間レビューした6ボタンパッドのオクタのモダン入力タイプにおける強み・ボタン配置といった事を記載すると共に、筆者の様に何らかの理由でモダン移行をためらっているクラシック派の人に向けた記事を書きたいと思う。

現状はまだ殆どがクラシックプレイヤー

モダンは発売前に話題になったが、正直完全新規のプレイヤー以外にはあまり浸透しているイメージは無い。

一部プロゲーマーがモダンの強さに着目・クラシックから移行した事が話題になった程度で、ランクマッチで当たるプレイヤーも殆どがクラシック入力タイプだ。

ただ、筆者はこの状態がもう半年もすれば逆転まではいかないまでも、モダン入力タイプの人口はかなり増えると思っている。

モダン入力タイプの懸念点

現状モダン入力タイプのプレイヤー数が増加しない理由として、筆者もそうだったが移行する上での懸念点からクラシック入力タイプで培ってきたものを捨ててまで…とモダン入力タイプへ移行するのを躊躇している人が多い事が挙げられる。

その懸念点の中で特に筆者が大きいと考えたのが以下の点だ。

攻撃力が80%

モダン入力タイプは簡単に必殺技やコンボを使う事が出来る反面、対象の攻撃力が80%になってしまうデメリットも存在する。

出せる通常技が少ないのでクラシック入力タイプに比べてどうしてもコンボルートも少なくなってしまうのだが、正直筆者はこの点は全く気にならなかった。

筆者はスト6はSA3を当てるゲームだと思っており、実際SA3(CA)の火力は凄まじい。レベルを問わず試合を決定付けるのはSA3(CA)の火力であり、いかにSA3を叩き込むか?というのが重要なゲーム性だ。

SA3は開幕フルゲージのドライブゲージシステムも相まってスト6では避けて通る事が出来ない。

こういったゲーム性なので、攻撃力が80%になるデメリットよりも、始動さえ当てればアシストボタンでSAまで繋がるコンボを失敗無く完走出来るメリットや、ワンボタンで咄嗟にSAを使えるメリットの方が大きいと感じた。

コンボの入力猶予や必殺技をキャンセルしてSAを入れるといったコマンド入力部分に意識を使う必要が無いというのも大きい。

後、これはあまり知られていないが、モダン入力タイプで攻撃力が80%に減少するデメリットはドライブラッシュ時等にかかる共通補正の方が優先(無視)される。

どちらも同じコンボを決めているが、ダメージが全く同じになっている。

上の画像ではマリーザで立中P→立中P→ドライブラッシュ→立中P→立中P→ODグラディウスというドライブラッシュコンボをモダン入力タイプとクラシック入力タイプでそれぞれ決めた時のダメージ値だが、全ての必殺技においてダメージが80%になるならばこうなるのはおかしい。

何故こうなるかといえば仕組みは単純で、ドライブラッシュコンボ時にかかる必殺技へのコンボ補正がクラシック入力タイプと同じダメージ100%に対してかかっている為だ。

つまりドライブラッシュコンボにおいてはモダン入力タイプとクラシック入力タイプに同じコンボならばコンボ火力的な差は無いという事で、入力が簡単な分モダン入力タイプの方がお得という事になる。

アシストボタン

モダン入力タイプは通常技が弱攻撃・中攻撃・強攻撃の基本三種類で、これにレバー入れ攻撃の特殊技とアシストボタンを押しながら攻撃した際の通常技が存在している。

アシストボタンを押さない通常技は基本的に単発牽制向けの通常技なので、コンボにする場合はアシストボタンを押しながら該当通常技を複数回押す事になるのだが、クラシックで慣れてきたプレイヤーからするとコンボ時にアシストボタンを押しっぱなしにする部分や使い分けに使いにくさを感じることだろう。

このアシストボタンは設計的にパッド向けのシステムであり、アーケードコントローラー(スティック)でアシストボタンを使いこなそうと思うと実は結構使いにくかったというのも筆者が避けていた理由の一つだ。

通常技の少なさ

上のアシストボタンと話が前後するが、上記の通りモダン入力タイプは通常技がクラシック入力タイプよりも少ない。

軸になる主要な通常技は網羅されているが、クラシック入力タイプでいう強キックの様な下段判定の通常技の数がどうしても少なくなってしまう。

後はアシストボタンを押すと通常技の属性が変化するというのも慣れるまでは結構大変で、例えばマリーザはアシストを押しながら弱攻撃をすると下段のしゃがみ弱キックを出すのだが、今まで方向にレバーを入れながらしゃがみ弱キックを出していたのもあって立ち状態から勝手にしゃがんで技が出るという部分に違和感を感じて慣れるのに苦労した。

ただ、数が少ない・アシストボタンという明確な分岐条件があるので、覚えてさえしまえば状況別に使う通常技は絞り易い・直感的かつ咄嗟に反応し易いとも思ったし、連打でコンボにいけるのもあってカウンターを見逃さなくなったメリットの方が大きいと感じた。

移行する価値は大いにある

大体のメディアがモダン入力タイプは初心者向け・慣れてきたらクラシック入力タイプに移行する前提的な位置付けで解説しているのだが、筆者は全くそうは思わない。

というかそもそもモダン入力タイプからクラシック入力タイプに移行するメリットが皆無だと思う。

初心者の人はモダン入力タイプで始めて突き詰めていく方が良いと思うし、クラシック入力タイプに慣れたプレイヤーも上記の通り移行するメリットは大いにある。

上で筆者が「モダン入力タイプの人口がかなり増える」と述べているのは、こういったモダン入力タイプに対するイメージが払拭されてくる・使ってみて強さに気付くプレイヤーが増えてくると思っている為で、じきにアーケードスティックやクラシック入力タイプは見向きもされなくなるとも思っている。

筆者はオープンβテストのプレイレポート記事でも述べている通り、もっと発売時にモダン入力タイプは流行る・ランクマッチで猛威を振るうと思っていたのだが、結果的にだんだんと強さが認知されつつはあるものの、現状は圧倒的にクラシック入力タイプのプレイヤーの方が多い。

新しいものに抵抗があるというのはあるだろうが、上記の通りメディア等でモダン入力タイプは初心者向け・慣れてきたらクラシック入力タイプに移行する前提として扱われている事も理由として挙げられる。

車のATとMT論争にも似ていて非常に不毛かつくだらないが、モダン入力タイプはクラシック入力タイプとは全くの別物で、どちらが上だ下だというのは無い。

筆者が大好きなブラックラグーンでも主人公のレヴィはこう言っているが、これはド正論の名言だと思う。

必殺技やコンボはプレイヤーの狙い所でしっかり出せて、相手に当てて勝てればそれで良いのだから、自身が使い易い方を選んで使えば良いと思う。

クラシックからの移行向けオクタのボタン設定

さて、今回の記事はここからが本題だが、この間購入して愛用しているオクタは現行市販されているパッドの中でもスト6のモダン適性が非常に高くなっている。

前回の製品レビューではクラシックに絞った内容を記載したのだが、今回はモダン向けに筆者がモダンのコンボトライアルをクリアしながら設定したボタン設定を掲載しようと思う。

筆者のボタン設定

表記が無い✕ボタンは、以下で解説しているが自由設定ボタンとなっている。

オクタもそうだが、パッドの一番の弱点となるのは同時押しのし難さだろう。

6ボタンパッドの場合、クラシックでいうキックやパンチボタンの3つ同時押しはかなり押し難いし、配置を考えなければ2つボタン同時押しもし難い。

この配置はその点を考慮しつつ、クラシック入力タイプのパッドから無理無くモダン入力タイプに入れる様に筆者が考えて設定したボタン配置となっている。

特徴的なのは投げボタン

6ボタンの□ボタンには弱攻撃+中攻撃(投げ)を設定して1ボタンで投げが出る様にしており、投げはスト6ではかなり重要・反応が求められるので、クラシックと同じ感覚を大事にした設定にしている。

最初はクラシックと同じ配置で弱攻撃と中攻撃を配置する事も考えたが、スト6に限らず格闘ゲームのボタン同時押しは地味に難しい・投げは1Fの遅れが許されない部分なので1ボタンに設定する事にした。

青枠が正常な同時押し、赤枠部分が同時押しをミスした場合。

同時押しに関しては2ボタンを同時に押す設定だとどうしても上の写真の赤枠部分の様にミスが出て発生が遅れてしまう事がある。

上の例の場合だと同時押しをする際にどちらかのボタンが先に押されて(例では中攻撃が先に押されている)しまい、その出がかり1Fを空キャンセルして投げが出ているという事になる。

当然その場合は通常よりも投げの発生が1F遅くなってしまうので、状況によってはこの1F差のせいで投げ抜けが出来ずに投げられたという事もあり得る。

これが怖いので、同時押しボタンを設定してそもそもこの様なミスが起こらない様にしている訳だ。

空きボタンに弱・中・強3つ同時押しボタン設定もお勧め

投げボタンに設定されている□ボタン下の✕ボタンは未設定だが、ここには弱・中・強攻撃ボタン同時押しを設定しておく事をお勧めしたい。

モダン入力の場合、攻撃ボタン3つ同時押しのOD必殺技を持たない場合は投げが優先され、ザンギエフのOD版ダブルラリアットの様に3つ同時押しのOD必殺技がある場合はそれが優先される。

3ボタン同時押しOD必殺技を持っているキャラは✕ボタンに攻撃3ボタン同時押しを設定しよう。

3ボタン同時押しのOD必殺技を持たないキャラクターの場合は投げが出るので、✕にも3ボタン同時押しを設定して投げの入力ミスを更に減らすといった設定も可能だ。

上の例のザンギエフの場合、OD版ダブルラリアットを出す場合はアシストボタンを押しながら+SPでも出す事は出来るが、これはモダン入力扱いとなって威力が80%まで減少してしまう。

ダブルラリアットは元々ボタン同時押しで使える必殺技なので使用感はクラシックと大差無い・コンボや対空等高頻度で使用する必殺技なので、モダン入力が出来るからと妥協せずにダメージの高い同時押し入力も設定しておく事をお勧めする。

ただ、この設定はCAPCOMが掲げているプロツアー(大会)規約の「同じ攻撃行動を複数の入力系統に2つ以上割り当てることはできない」という部分に引っかかるので、大会等規約が有効な場所で使う場合は3ボタン同時押しを設定しないといった対応が必要になる点に注意しよう。

パリィはL1ボタンに設定

筆者がパッド移行を決意した一番の理由であるパリィボタンはL1に配置している。

パリィドライブラッシュをする場合はパリィボタンを押しっぱなしにしながら前ステップを入力すれば良いので、アーケードスティックに比べるとかなり楽にミス無く入力出来る。

クラシック・モダン共にパリィラッシュ絡みのコンボは段違いにやり易い。

人差し指で押すのでジャストパリィや咄嗟のパリィにも反応し易く、攻撃ボタンを押してコンボを入力する親指とは動作が独立しているので、パリィドライブラッシュ絡みのコンボも入力し易い。

筆者がモダンモードについて配信で熱く語っている動画

この記事を作成後に配信をしていた時にモダン移行に悩んでいるリスナーの人から質問を受けて配信でモダン入力モードの魅力や強さを熱く語っていた部分もクリップ化したので、こちらも記事と併せてチェックして欲しい。

総括

今回は長々とオクタのモダンにおける設定について記事にしたが、こういった6ボタンパッド+モダンの組み合わせはスト6では今後もっと増えていくだろうと思う。

筆者も最初は懸念点もあってモダン入力に対して良いイメージを持っていなかったのだが、いざ使ってみたら実に良く考えて設計されていて使い易さに感動した。

コマンド入力のせいで思った通りの直感的な動きが出来なかったり、自分の反応速度が活かせなかったりというプレイヤーには特にお勧めしたい。