レビュー

クァンタムマキ(68点)

author:aoto
2022.08.25

タイトル
クァンタムマキ
ハード
スマートフォン,PC
点数
68点
WEB
クァンタムマキ公式
ダウンロード

※PC版はDMM GANESでプレイ可能になる模様(現在はまだ配信されていない)

概要

クァンタムマキと呼ばれる戦争兵器を用いてミッションをクリアしていくタイプの見下ろし型3D弾幕シューティングゲームで、最大3名のチームを組んで操作キャラクターを切り替えながらミッションを攻略していく。

面白い点

テンポが良く爽快感のある戦闘システム

クァンタムマキのクエストは大量の雑魚敵を倒すものとボス戦に大まかに分類されるが、どちらも戦闘のテンポが良く爽快感がある。

BREAKからスキルで一気に畳み掛ける戦闘は爽快感がある。

ボス戦は弾幕をかいくぐりながらHPを削ってBREAKさせ、そこからスキルを活用して一気に畳み掛けるのだが、この部分は多段攻撃スキルで敵のHPが数本分一気に消し飛ぶので特に爽快感抜群だ。

スキルは3Dのカットイン演出が入るが、テンポを妨げない様に各キャラ演出の長さといった部分にも配慮されている。

カスタマイズ性の高いUI

スマートフォンのゲームアプリで良くあるボタン配置の3Dシューティングゲームだが、UI(ユーザー・インターフェース)のカスタマイズ性はこれまでプレイしてきた他社同系統タイトルと比べても群を抜いている。

表示位置や大きさに至るまで各項目を細かくカスタマイズ出来る。

3D弾幕シューティングというアクション性の高いジャンルなので、UIの使い勝手や操作性が悪いとストレスを感じて楽しめなくなるのだが、こういった部分にもしっかり配慮されているのは嬉しい。

問題点

自動化しすぎてゲーム性が乏しい

バグといった致命的な物を除くとクァンタムマキの一番の問題点はおそらくこの部分だろう。

クァンタムマキはこの手のゲームにしては珍しく初回からクエストのオートプレイが可能(一部例外有り)となっており、クリア後は一度に沢山周回出来る機能も備わっている。

一部ボス戦以外は全クエスト最初からオートプレイクリアが可能。

これはおそらくシューティングゲームが苦手なユーザーに配慮した仕様だと思うのだが、この仕様があるので最初から最後までプレイヤーが操作する事無くクエストをクリア出来る。

こうなると放置系ゲームの様に淡々と育成をこなして戦力を規定値まで高め、オートクリアさせてクエスト報酬を貰うだけになってしまうので、これはもはやシューティングゲームとは呼べない。

世界観や後述する育成の間延び感もあってとにかく淡々とした印象を受ける。

育成要素を細分化し過ぎている

クァンタムマキは育成項目が多く、レベルといった基本的なものも細かく上限解放アイテムが必要であったりと育成が面倒な仕様になっている。

ただの一本道育成をここまで細分化させる必要はないと思う。

例えばこれがプレイヤーの好みに合わせて育成していける様な自由度の高いものであればまだ良いのだが、ただの一本道育成をいたずらに細分化しただけである。

ちょっとレベルを上げたら上限解放をしたり素材を集めるという作業の繰り返しになるので、育成は作業的で全く面白くない。

これで「絆を育め」は無理だろう。

正直ここまで細分化する必要は無かったと思うし、簡略化すべき所は簡略化すべきだとも思う。

コンテンツが間延びしている

これも上記育成要素の細分化と前後するが、育成項目が細分化されているという事は上限解放やレベルアップの為のアイテムも沢山あるという事で、アイテムが沢山あるという事は入手クエストも様々用意しなければならないという事になる。

挑戦といったコンテンツもあるので一見充実している様に思えるが、やる事は全て同じ単調なアイテム集めである。

リリースしたてでコンテンツの中身が無いのは仕方がないとは思うが、育成面を細分化・間延びさせてごまかすというのは今はもう通用しない手法だと思う。

パズドラで曜日ダンジョンやゲリラダンジョンをノリノリで周回していた時代とは訳が違うのだ。

思う事

ここからはプレイしていて思った事をつらつらと記載していこうと思う。

オリジナリティに乏しい

筆者の様にコンテンツ制作関係の仕事をしている人はご存知だと思うが、こういったゲームに限らずヒットする物とヒットしない物には共通点がある。

ヒットする物の共通点は「他のヒット作に似ている事」、逆にヒットしない物に共通しているのは「他の何とも似ていない事」である。

長くなるので省略するが、これは学術的にも長らく研究されており、開発者やマーケッター向けの書籍等でも散々言われているセオリーである。

このゲームには何処かで見た事があるものしか無い。

クァンタムマキもその例に漏れず、後発という強みを活かして他のゲームの良かった要素を上手くフィードバックしてコンテンツを作っているとは思うが、そういったコンテンツばかりになってしまっていてこのゲームだけのオリジナリティというものが乏しくなってしまっている。

パクるにしても独自の物と呼べる位まで昇華出来ていれば良いのだが、プレイしてみた感じそう思える物は皆無だった。ガチャの演出に至っては某タワーディフェンスゲームを思い出してニヤニヤした程である。

このゲームをリリースから数日真面目にプレイして感じたのは、「コンテンツと称した何処かで見た事がある作業の寄せ集めを淡々とプレイさせられるゲーム」という一言に尽きる。

総括

これまで述べてきた通り、ゲームとしては非常に淡々としている。

オートプレイで只管周回するだけのゲーム性なのでゲームとしての中毒性は乏しいが、逆にシューティングやアクションゲームが苦手な人でも楽しめるという一点からキャラクターデザインや世界観が刺さった人にはお勧め出来るタイトルだと思う。

キャラクターは”様々な層”を受け入れる間口の広さを持っている。

淡々と周回して好きなキャラクターを育成して愛でたいというユーザーは一定数存在すると思が、そういった人は美麗CGや演出もあってかなり楽しめだろう。

ダウンロード

※PC版はDMM GANESでプレイ可能になる模様(現在はまだ配信されていない)