プレイレビュー

無期迷途(78点)

author:aoto
2022.11.09

タイトル
無期迷途
ハード
スマートフォン
点数
78点
WEB
無期迷途公式
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概要

無期迷途は、異なる能力を持つ罪人(コンビクト)を戦場に自由に配置・展開に応じて配置を変更して敵と戦うリアルタイムタワーディフェンスゲームとなっている。

面白い点

テンポに優れたゲーム性

この手のタワーディフェンスゲームではアニメ化もされた人気作のアークナイツが有名だが、無期迷途はかなりこれに寄せて作られているというのをプレイしていて強く感じた。

ただアークナイツの丸パクり・量産クローンゲーという事ではなく、影響を受けつつもキチンとオリジナルとして独自性を持たせたゲームデザインになっている。

このゲームは一般的なタワーディフェンスゲームと違ってリアルタイム性を売りにしているので、1エリア攻略までが短く非常にテンポが良い。

リアルタイムで配置変更して敵に応戦するシステムはありそうでなかった。

予め敵の導線を表示してそれに合わせて順次ユニットを配置して敵を制圧していくアークナイツと異なり、ざっと手持ちからフィールドに配置したユニットを戦況を見ながら順次配置変更して対応していく直感的なゲーム性となっている。

システムの簡略化が上手い

無期迷途は戦闘システムやユニットスキル効果の簡略化も上手い。

一般的なこういったタワーディフェンスゲームは、ユニット毎のスキル効果が複雑でパッと見では有効な使い方が思いつかなかったりという事が多々あるのだが、このゲームではスキル性能面のデザインが簡略化されていてわかり易い。

具体的に言えば最初は敵のシールドを破壊するスキルか否かだけを見ておけば良く、攻撃系スキルは射程といった違いはあれ全てこの2タイプの特性となっている。

職種アイコンに赤いグラデーションがかかったユニットはスキルでシールド破壊が可能なユニット。

無期迷途は一部の敵がシールドを持っており、これをスキルを用いて破壊する事が基本のゲームシステムとなっている。従って構成に何体かはシールド破壊が出来るアタッカーを加える必要があるのだが、考える部分はこのシールド破壊の有無と射程だけなので、他の同系ゲームの様にやれ武器相性だの複雑な効果相性だのを考える必要がないので非常にとっつき易い。

テンポを殺さない様にシステムをシンプルにわかり易くしつつ、奥が深い戦闘システムを構築出来ていると思うので、複雑さやテンポの悪さからこういったジャンルを避けていた人にもお勧め出来る。

育成面もテンポを妨げない

上と前後するが、無期迷途は育成面も非常にテンポが良い。スキルレベルアップや進化に大量の様々な進化素材が必要なのは他ゲームと変わらないが、周回機能や必要素材を集める為のナビゲートが優秀でストレスを感じたりテンポを妨げていない。

必要素材をタップすれば入手場所へのナビゲートが表示される。

一度クリアしたステージは連続周回機能で一瞬でクリア出来るのもこういったゲームでは珍しいのだが、こういった点からテンポを守る事に関しては全体を通して徹底している印象を持った。

問題点

UIの使いにくさ

無期迷途はロビーUIといったUIデザインが小さくタップしにくいデザインになっていて非常に使いにくい。世界観やデザイン性を優先した結果だろうが、よく使うUIはもう少し改善の余地があると思う。

ご覧の様にボタンはかなり小さく、アイコン化されているので慣れるまでは視認性に乏しい。

戦闘UIに関しても同様で、特にマス指定で使用するスキルは間違えて隣のマスをタップして不発に終わってしまったりといった事が多々ある。スキル使用時に重なったユニットをタップした際に違うユニットを選択してしまったりというのもザラだ。

シールドをエリア指定スキルで割ろうとして、対象が隣のマスに移動して不発に終わるというのは皆が通る道。

敵のHPゲージも表示が小さく、特にシステム上最重要となるシールド所持数も見えにくい。敵の中には最初はシールドを持たずに登場・交戦時にシールドを展開するタイプもいるので、咄嗟にシールドを展開されて知らない間にピンチになっている事もザラにある。

説明不足

シールドといったゲーム性に直結する戦闘システムはチュートリアルクエスト等で丁寧に解説されるのだが、それ以外の部分が無期迷途は本当に説明不足だと感じる。

一例としてキャンペーン時の説明不足を挙げる。このゲームにはコードを入れるとプレゼントがもらえるキャンペーンがあるのだが、そのキャンペーンコードを何処に入力すれば良いのかわからないという人がかなり多かった。

ロビー左上の自分のレベル表示部分をタップ>右下の六角形のアイコンをタップ>アカウント>交換コード。わかるかっ!!

上記UIの使いにくさも相まってこの説明不足さにより拍車がかかってしまっている。

思う事

ここからはプレイしていて思った事をつらつらと記載していこうと思う。

ユニット毎のバランスが荒削り

リリースしたばかりのゲームなので仕方がない部分もあるだろうが、キャラ毎のバランスというか棲み分けが甘いというのをプレイしていて思った。

筆者と誕生日が同じなのでお気に入りのホロも棲み分けの甘さを象徴する1体。

上記ホロを例に挙げるが、このユニットは前衛アタッカーで高い攻撃力を持ちながら耐久力も高いという特徴を持っている。もうここまででカンの良い人ならお気付きだろうが、要は壁役のタンク(エンデュア)が必要なくなってしまうのだ。

エンデュアとの差は一度にブロック出来る敵ユニット数(エンデュアは一度に2体までブロック可)なのだが、ホロの場合は殲滅力が高い・高威力スキルでシールドブレイクまで出来てしまうので、配置にもよるがそもそもレベルが適正であれば1対2の状態で耐久するというシーンにならないし、なったとしても他アタッカーと速やかに殲滅出来る。

更に言えば、エンデュアはスキルでシールドブレイク出来るキャラが皆無なのと、耐久面の性能が自身で完結しているユニットがレギュラーにし易い低レア帯に居ないという汎用性的な理由もある。

低レア帯のエンデュアは特に性能の足りていない部分が目立つ。

耐久力はあるが回復性能が無いといった様に自身で性能が完結していないので、別途ヒーラーを用意したりといったお膳立て(勿論、前衛アタッカーで火力押しした方が遥かに簡単で早い)をしなければならない等、正直この辺は何とかならないかと思う。章的に終盤になっても依然としてこの流れは変わらない。

同じ理由でこういったゲームでは重要なロールのヒーラー(カタリシス)も必要になってくるのは終盤(現在実装地点における)からで、序盤・中盤はわざわざヒーラーを入れる位ならばアタッカーで火力押しをした方が簡単で早い。

活躍は終盤エリアからで、序盤・中盤はあると便利だが無くても良いという残念な位置付けのカタリシス。

こういった職種間のバランスがまだ荒削りな点は構成幅を狭めてしまう残念な要素に感じたが、まだリリースして間もないので最初は簡単にとっつき易くしているだけかもしれない。

この辺りは今後の調整や追加に期待したい。

総括

無期迷途はタワーディフェンス系のゲームの中では別格のテンポの良さを持っているゲームなので、ちょっとした空き時間や息抜きにプレイするにはもってこいのタイトルだ。

プレイしてみるとわかるが、課金アイテムによるスタミナ回復が前提になっている周回バランス(スタミナ燃費が凄まじく悪い)で、課金アイテムによる回復も上限が設定されているので一日に出来る事には限界がある。

ハイテンポで短時間で一気に進めて続きは明日というプレイスタイルにどうしてもなってくるので、通勤時間や休憩時間にさっと遊べるゲームを待っていた人や他のゲームと掛け持ちを考えている人には特にお勧め出来る。

ローカライズが甘い所はあるがストーリーも面白い・キャラクターデザインも美麗なので、キャラクターや世界観が気になったらとりあえず始めてみていいだろう。

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