プレイレビュー

ダンジョンスクワッド(75点)

author:aoto
2023.02.13

タイトル
ダンジョンスクワッド
ハード
スマートフォン
点数
75点
WEB
gamecoaster公式(韓国語)
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概要

勇者の惑星を信徒を連れて侵略していくアクションゲームで、陣営最奥にある魔石の耐久力が敵に攻撃されて0になる前に敵の勇者達を全滅させるというタワーディフェンスに近いゲームシステム。

全4ステージ(4-11)を繰り返し通し攻略しながらクエスト毎に信徒をレベルアップさせ、スキルや装備を拡充させていくといったローグライク要素もある。

面白い点

つい何周もしたくなる中毒性

ダンジョンスクワッドはローグライクやタワーディフェンスの面白い部分を抽出し、大流行したヴァンパイアサバイバーズといったゲームのエッセンスを加えたゲーム性となっている。

テンポ良くサクサクと進むのでつい何周もしてしまう。

周回が前提となっているのでテンポや戦闘の爽快感を重要視した設計になっており、今日はもう数周したら寝ようと思ったら朝だったという事が往々にしてあるヤメ時が難しい(筆者も記事用にプレイした際に徹夜してしまった)ゲームだ。

今回も動画を撮影してきたが、後半エリアになるとスキル効果が強力になって沢山の敵を一度に殲滅出来る様になり、この爽快感も上記の中毒性に拍車をかける。

ご覧の通り敵がプチプチと潰れていく様は眺めていてかなり気持ちがいい。

バランスの良いゲーム性

ダンジョンスクワッドはローグライクという事で運要素が大きいゲームだが、スキルビルド(育成)やアイテムの取捨選択といったプレイヤーが考えなければならない戦略的要素もしっかりある。

クリア後の取捨選択を計画的に繰り返していく。

ダンジョンスクワッドはこの運要素と戦略要素の全体的なバランスが良く、毎回ランダムな信徒で構成を組んで育成プランを考えていく中にイベントといった運要素が散りばめられている。

どちらの要素が大きくなる事もなく綺麗にバランスが取れており、全体的なゲームバランスもこの手のゲームの中では良好な部類だ。

問題点

アンロック商法

ダンジョンスクワッドは本体が780円(iOS版は800円)と有料のアプリなのだが、成長アイテムや使用キャラクターのアンロックといった追加課金要素がある。

快適なプレイ環境を整えようと思うと、大体3,000円程度追加で課金する必要がある。

1.5倍速機能やオートショットといったこういったゲームでは必須クラスの機能が追加課金要素となっているのもいただけない。言い方は悪いが、本体が有料アプリなのもあってどうしても騙された気分になってしまう。

ボリューム不足とマンネリ感

現状ゲームモードは勇者の惑星を侵略するのみで、これを4-11まで攻略して素材を集めてキャラクターを強化していくという事を延々と繰り返していく事になる。

課金前提なのもあって、無課金での育成はかなり時間がかかる。

クリア毎にアンロックされていく高難易度モードはバランス的に低難易度を周回してキャラクターを育成している事が前提となっているバランスなので、どれだけ当たりを引いてビルドが優れていようが全く育成していないとクリアは不可能といえる。

この辺りは丁寧にバランス調整されている部分が裏目に出ているとは思うが、同じ難易度を延々と周回させられるのは流石にマンネリ化して一気に熱が冷めてしまう。

上記課金システムもあって、「このボリュームに3,000円使う?」という状況にも陥る。折角課金して快適な環境を手に入れても遊ぶコンテンツが無いのだから。

思う事

ここからはいつものようにプレイしていて思った事をつらつらと書いていきたいと思う。

高難易度を攻略するメリットが乏しい

上記のボリューム不足の部分と前後する話になるが、このゲームは上記の通り育成素材を延々集めるゲームだ。

報酬は最終エリア(4-11)クリア後に貰える為、効率的に素材を集めていこうと思うと高難易度よりも低難易度を延々と周回した方が効率が良い。

ゲームとして育成をして高難易度にチャレンジするといった面白さはあるのだが、一度クリアしたら満足して結局効率が出せる低難易度の周回に戻ってしまう。

高難易度がちゃんと難しく設計されているバランシングも完全に裏目に出てしまっている。

高難易度がちゃんと難しいという事は、低難易度でキッチリ育成して想定ボーダーをクリアしていないと門前払いとなってしまうという事なので、この部分が少ないコンテンツの寿命を縮めていると思えてならない。

雑魚戦はともかく、後半エリアのボスは育成ボーダーを満たしていないと話にならない。

運要素や技術介入要素を駆使して高難易度を打開する事が難しいので、遊びの幅を広げる意味でも高難易度の扱いや報酬は根本的に見直した方が良いと思う。

スキル効果の説明不足が気になる

ダンジョンスクワッドはテンポ重視なのかチュートリアル的な要素が殆ど無い。

にもかかわらず説明した方が良い要素が多々ある。例えば、スキルダメージが何に依存しているのか?という部分やステータス異常の効果詳細といった部分。

見にくいが「すべての魔物が被ダメージ時に低い確率で快楽を格闘します」と説明されている。意味がわからない。

ローカライズの不備もあるが、上記の様な意味のわからない部分こそが重要という事がこのゲームは多々ある。上記のスキルダメージの依存ステータスはその典型例だろう。

使用するキャラクター(信徒)は大まかに呪文攻撃力依存か物理攻撃力依存かに分類されているのだが、当然装備等で物理攻撃力をいくら上げようと呪文攻撃力は上がらない。

従って最初は構成に加えているキャラクターのスキルダメージが何に依存しているのかを調べたりする必要があるのだが、チュートリアル皆無かつテンポ重視でメニュー画面も戦闘前に見れる最低限の物しか無いのは流石に不親切だと思う。

スキル格差問題

ダンジョンスクワッドはゲームバランス自体は良いのだが、攻略の要となるキャラクタースキルに特定のスキル種が強過ぎて折角ある他スキルを取得・育成するメリットが無いという格差が全キャラを通してある。

面白さに直結する部分なのでここでは伏せるが、要は特定のスキルが強過ぎて各キャラクターそれだけ取っておけば問題無いという状態なので、これがわかってしまうと構成やビルドで遊ぶという面白さが半減してしまう。

この辺りももう少し調整を考えた方が良いと思った。

総括

荒削りな部分は目立つがゲーム自体は面白く、朝まで周回するようなゲームとしての中毒性もある。

バグ対応といったサポートも早いので、コンテンツの拡充やスキルバランスの調整といった現状の問題点がクリアできればもっと評価は高くなる・人気になるポテンシャルは感じるゲームだ。

購入してやり込もうと思った人は、本体とは別にオートショットだけは購入しておく事をお勧めしたい。

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