プレイレビュー

ディアブロイモータル(90点)

author:aoto
2022.06.04

タイトル
ディアブロ イモータル
ハード
PC,スマートフォン
点数
90点
WEB
BLIZZARD公式
ダウンロード

※PC版はBLIZZARD公式サイトよりダウンロード

概要

敵と戦闘してプレイヤーキャラクターを強化・装備を収集していく俗にハクスラ(ハックアンドスラッシュ)といわれるゲームの代名詞的な存在であるディアブロシリーズの最新作。

Blizzard EntertainmentがNetEaseと共同開発したモバイル向けMMOARPG(大規模多人数同時参加型オンラインアクションRPG)で、バーバリアン・クルセイダー・デーモンハンター・モンク・ネクロマンサー・ウィザードの6つのクラスから1つを選び、膨大なクエスト・ダンジョンをクリアしながらプレイヤーキャラクターを強化していく。

Android・iPhone(iPad)で配信され、PCでもオープンβ版がリリースが開始された。

面白い点

絶妙なテンポの良さ

ディアブロは今回のイモータルに限らず面白さの根幹は戦闘と成長を繰り返すハクスラ要素にあるのだが、筆者は当初イモータルはモバイル(今回のレビューはiPhone版を使用している)でのリリースという事でUI設計やテンポの良さが犠牲になっているのではないかと心配していた。

結論から先に言えばテンポは非常に良く、MMOにありがちなお使いクエストの面倒くささ・オートランといったガイド機能の不親切さも無い。

クエストボードやオートランといったガイドシステムが使い易いのでテンポを損なわない。

プレイを開始してからすぐに爽快感のある戦闘やインスタンスダンジョンでの装備収集といったディアブロの面白さを体感出来、それを妨害する要素はモバイル版MMOの中ではかなり細かく設定出来るキャラメイキング要素程度だ。

キャラクターメイキングはモバイル版MMOである事を忘れてしまう位細かく設定出来る。

キャラクターメイキングに関してはかなり細かく設定出来るので、人によってはこれに数時間を費やす時間泥棒コンテンツになるだろうが、いざ始まってしまえば記事用にメモを取りながらプレイしていたら知らない間にLv35になっていた位テンポは良い。

戦闘をただの作業にしていない

ディアブロイモータルをプレイしていて筆者が一番良いと感じたのがこの「戦闘を作業化していない」という部分で、ディアブロイモータルは昨今のMMO RPGにしては珍しく戦闘のオート実行機能が一切無い。

ボス戦では攻撃を丁寧に回避しつつスキルを叩き込まなければならない。

こういったハクスラ系RPGの戦闘は、装備ドロップに至るまでの作業的な位置付けである事が大半であるという昨今の風潮の中にあって、このオート実行機能をつけないというゲームデザインには賛辞を贈りたい。

雑魚戦は動いて敵をまとめつつスキルで一気に倒していくので爽快感抜群。

自分で操作するので大量の雑魚敵を効率良く倒せる位置取りを考えるゲームとしての戦略性も生まれ、敵を集めてスキルで綺麗に一網打尽にした時の爽快感も出てくる。

アクションパッドの出来が良い

上記の通りディアブロイモータルは全体のテンポが非常に良いのだが、アクションパッドの操作性がモバイルMMO RPGの中でも群を抜いている。

キャラクターは画面左下の一帯ドラッグ中移動し続け、一般的なゲーム機のコントローラーのアナログスティックと同じ感覚で快適に操作出来る。右手側のアクションボタンのスキルは、スキルアイコンが表示されるので直感的に視認し易くブラインドタップもし易い。

攻撃回避をしながらスキル照準を合わせる事も容易。良く出来ている。

スキルは基本的に自動照準で方向指定が可能なスキルは追加でドラッグ入力を行い、ボタンを押しっぱなしにしている間発動し続けるスキルもあるが、その全てが直感的かつ快適に操作出来る様に設計されている。

高い中毒性のある装備発掘

ディアブロイモータルの装備発掘は基本的にインスタンスダンジョンを周回する事で行うのだが、レアドロップ率の調整がモバイル版という事を考慮してか高めの設定になっている。

ドロップ率の調整が絶妙・テンポが良いので何度もプレイしていても苦にならない。

鑑定するまで性能が不明な未鑑定品といった要素もあり、更に装備に宝石を装着して特定のステータスボーナスを得たりといった強化システムも相まって中毒性は非常に高い。

小汚い泥棒の様なマイキャラがどんどん立派になっていくのは見ていて楽しい。

出現時点でレジェンドアイテムのドロップが確定するオレンジ色の光の柱(通称:茶柱)といった演出面も良く出来ていると思う。

昨今のMMOだとレアアイテムであってもメッセージウィンドウで入手した旨が記載される程度でレアアイテムを拾った!という気持ちにはならないが、たとえシンプルでもこういった確定演出があると周回の面白さは格段に上がる。

関係無い話になるが、筆者がこういった確定演出で最も好きだったのは今は亡きコルムオンラインの大きい宝箱がジャキン!という爽快な音と共にドロップして中身が光るレアドロップ確定演出で、ディアブロイモータルでレジェンドアイテムがドロップした瞬間に即思い出す位脳裏に焼き付いている。

マルチプレイが秀逸

ディアブロイモータルは良くも悪くも古き良きハクスラMMOといった感じなのだが、裏を返せば古臭い・ありきたりで陳腐なゲームという見方も出来る。実際筆者もマルチプレイをプレイする以前はそういう評価だった。

この記事も当初はその評価で記載していたのだが、ふと記事用にマルチプレイをプレイした途端にその評価は間違いだったと記事を急遽書き直している。

ディアブロイモータルはマルチプレイヤーで挑むレイドがメチャクチャ面白いのだ。

エンドコンテンツのネタバレとなるので詳細は伏せるが、このレイドコンテンツのボスは通常のインスタンスダンジョン周回のノリで挑むと間違いなく壊滅する。

このボスを撃破する為にはかなり攻略を詰める必要があるのだが、この難易度は決して理不尽な高難易度という訳ではなくちゃんと攻略や対策を敷けば打開出来る絶妙なバランスに仕上がっている。

ディアブロイモータルは全体を通して戦闘面のバランシングは良く考えられているが、このマルチコンテンツのボス戦は特にその傾向が強い。

問題点

容量の大きさ

分割方式のダウンローダーを搭載している事からも明確な通り、ディアブロイモータルは容量がモバイル向けのMMOとしてみるとかなり大きい(必要容量12GB)ので正直もう少し容量を抑えて欲しかった。

テンポを損なわずにすぐにダウンロードしながらプレイ出来るように工夫されてはいるが気になってしまう。

NPCとの会話時のボタンの判定

細かい部分になるが、NPCとの会話でクエスト報告や取引を行う為のボタンが少々使い難い。

赤枠のボタン以外の所をタップすると会話が終了してしまうのが不便。

NPCとの会話はボタン以外の部分をタップすると終了してしまうので、納品クエスト等で会話部分をタップしながら流し読みをしていて納品等の機能ボタンを押せずに終了してしまう事が操作に慣れるまで多々ある。

チャットの言語対応

日本語の簡単な定型文は用意してあるが、現状チャットが一部漢字に対応していない為にコミュニケーションがかなり制限される(全てひらがなで入力する必要がある)ので、友達同士で固定パーティーを組む場合はDiscord等他のコミュニケーションツールを用意しておく必要がある。

更に言えばキャラクターのサーバー間移動も出来ないので、友達と一緒に始める場合は事前に開始するサーバーを合わせる必要もある点も付け加えておく。

思う事

ここからはプレイしていて思った事をつらつらと記載していこうと思う。

モバイルでもしっかりディアブロ

ディアブロシリーズがモバイル展開されるという第一報で、ディアブロが名前だけの別物になっていたり、札束で殴るPay to Win化が深刻になると懸念していたのだが、蓋を開けてみれば懐かしさを感じるレベルでしっかりディアブロしていて一安心した。

バトルには爽快感があり、装備収集(トレジャーハンティング)の中毒性もしっかりある。ディアブロ本来のバトルバランスの秀逸さも健在だ。

課金コンテンツに関してはインスタンスダンジョンの報酬アップといった育成補助のみに絞り、ガチャやルートボックスといったバランス崩壊に直結する課金コンテンツにしなかったのは本当に良かったと思う。

レジェンド宝石に関する否定的な意見も出てきてはいるものの、筆者個人的には今作の課金システムは許容範囲だと思っている。

もう少し敵が理不尽でも良かった

ディアブロイモータルは上記の通り全体を通して丁寧にバランシングされているので、旧作のような強力な雑魚敵や強烈なデスペナルティといった怖さが薄まった印象を受けた。

旧作に比べて爽快感やテンポは良くなっているのでこの部分は好みの問題だとは思うが、筆者のように旧作でデスペナルティに震えて強力な雑魚敵を撃破していくスリルに楽しさを感じていたプレイヤーは、ビルド幅の狭さもあって若干物足りなさを感じるかもしれない。

総括

総括するとモバイルに合わせて最適化されたディアブロという感じなので、旧作ファンからすると最初は難易度やビルド幅から物足りなさを感じると思う。

ただ上記の通りマルチプレイはコミュニケーションに難はあるもののかなり楽しめるコンテンツなので、とりあえずそこまではレベリングテンポも良いのでプレイしてみる事をお勧めしたい。

クラスはソロでコンテンツを楽しみつつマルチプレイも野良で楽しむのであれば筆者はデーモンハンターをお勧めする。

ダウンロード

※PC版はBLIZZARD公式サイトよりダウンロード