レビュー

ブレイカーズコレクション(82点)

author:aoto
2023.01.24

タイトル
ブレイカーズコレクション
ハード
PC,PS,XBOX,Switch
点数
82点

概要

ブレイカーズコレクションは、1998年7月に稼働開始したビスコの格闘ゲームであるブレイカーズシリーズ2本をまとめて1本にし、ネットワーク対戦モードやトレーニングモードといった家庭用新規モードを追加したコレクションパッケージとなっている。

面白い点

ブレイカーズは出てきた時期としてはNEOGEO終盤の格闘ゲーム安定期だったのもあって、当時全く期待されておらず話題にもならなかった。

筆者は当時関西に住んでいたのだが、ショッピングセンターのゲームコーナーにある日突然置いてあったブレイカーズのOP・ゲーム画面を見て「フン」と鼻で笑ったのを今でもよく覚えている。

というのもこの時代は有名人気タイトルを丸パクりしたような格闘ゲームも多かったので、どうせ何処かのインディーメーカーが大手の丸パクりゲーを出したのだろうとしか思わなかったし、これだけ大小様々な格闘ゲームが稼働している中で「よくもまぁこんなさえないキャラクターの新規タイトルを出したものだ」という気持ちもあった。

格闘ゲームブームの終盤・安定期という事もあって、筆者に限らずユーザー全体が格闘ゲームに対して食傷気味だった時代というのもあるだろう。

高い爽快感と操作性の良さ

上記の通り話のネタに色物格ゲーを1プレイ遊んでみるか程度の第一印象だったブレイカーズだが、CPU戦を数戦プレイしてみて上記の様な考えは吹き飛ぶ事になる。

操作系は良くあるパンチとキックの弱強4ボタン、システム的に真新しい事は無い”良くも悪くも普通の格闘ゲーム”という感じだったのだが、インストカードを見ながら必殺技を入力・通常技から必殺技を繋いでコンボにするといった事をCPU相手に練習していると何かわからないが爽快で気持ちが良いのだ。

今では殆ど見る事が無い懐かしい開幕の操作説明。

ブレイカーズは筆者がプレイしてきた格闘ゲームの中でも攻撃の爽快感に限って言えばトップクラス…というかトップと言い切ってしまっても良いレベルで、攻撃をヒットさせた時の効果音といった演出面や入力猶予といった部分の調整が新規参入メーカーとは思えない絶妙な調整になっている。

テンポ良く綺麗に連続技が決まるので、動かしているだけで爽快感がある。

特に入力猶予に関しては最近の格闘ゲームに慣れていると違和感を感じる位長く設定されており、簡単に気持ちよく技が繋がるので攻めている側がとにかく楽しい。

斬新なのけぞりモーションキャンセル

ブレイカーズが斬新で面白かった理由のもう1つがこのシステムで、これは攻撃を食らっている方がのけぞりモーション後半を必殺技でキャンセル出来るというシステムなのだが、このシステムがあるので攻めが強いゲームシステムであっても攻撃側と防御側のバランスが取れている。

ブレイカーズだけの斬新なシステム、のけぞりキャンセル。

一般的な格闘ゲームでは基本的にのけぞり中は行動不可能なので、のけぞっている間は相手の続く攻撃を食らう事が確定してしまうのだが、ブレイカーズにおいてはこののけぞりキャンセルがあるのでこれが確定しないものも出てくる。

ブレイカーズはのけぞりキャンセルする事が出来ない空中食らい(空中コンボ)の駆け引きが非常に重要な設計になっており、この読み合いと上記の計算された爽快感がゲームの面白さに直結している。

空中食らいはのけぞりキャンセル不可なので、空中コンボは最重要ダメージソースとなる。

新規参入メーカーの初参入タイトルでこれだけシステムが丁寧に練られている格闘ゲームは他に例が無く、システムに関しては現行タイトルと比較しても全く古臭さを感じない。

問題点

キャラクターバランスの悪さ

システムは良く練られていて面白いゲームだが、キャラクター毎の性能差というのが昔の格闘ゲームなのもあってかなりある。

具体的かつ簡潔に言ってしまえば「主人公が強すぎる」という一言で説明が出来るのだが、このゲームの主人公のSHOは出るゲームを間違えているレベルのキャラクター性能を持っている。

トップオブトップと言い切れる翔。弱い所を探す方が難しい。

中堅・下位のキャラクターランクのダイヤグラムは人によって違いが出ると思うが、SHOに関してはプレイした事がある人なら満場一致でトップティアに挙げるだろうと言い切れる。

ブレイカーズを今回のコレクションで初めて遊ぶ新規・初見の人は、まずトレーニングモードでSHOを一通り動かしてみて欲しい。何処かのハチマキを巻いた無職とは違う、主人公としてのラインを越えた強さを実感出来るだろう。

筆者愛用の才蔵も一部キャラには天敵レベルのキャラ差を持つ。

SHOがスケープゴートになっているが、ブレイカーズリベンジで追加されたSAIZOもかなり強力で、一部の組み合わせでは実質的な詰み状態に持ち込めてしまう位の性能を持っている。

ただでさえキャラクターの少ないゲームだが、相性や性能的な理由から実質的に対戦で使えるレベルなのは精々5キャラ(約半分)程度だろう。バランスに関してはお世辞にも良いとは言えない。

日本語サポート無し

今回筆者が購入したSteam版(PC)では言語はEnglish固定で日本語サポートは存在しない。ゲーム的に文字が英語でも問題は無いのだが、特徴的な勝利セリフやエンディングが英語のみというのはニュアンスの違いもあってやはり寂しい。

英語だと独特な雰囲気が出ない。

思う事

ここからはいつものようにプレイしていて思った事をつらつらと書いていきたいと思う。

地味にCPU戦が面白い

ブレイカーズはこの時代の格闘ゲームの例に漏れず超反応・パターンゲーなのだが、CPUのアルゴリズムが独特でランダム性が強い。

CPU戦の難易度はかなり高いのでやり応えがある。

パターンにハメて倒すという流れは変わらないが、上記ランダム性から特定のパターンのハマりにくいといった事も起こり得るので常に複数のパターンを持っておいて切り替える必要がある。

このパターンの研究が地味に面白く、ランダム性の強さから飽きにくいので、トレーニングモードに飽きたら通しでCPU戦をプレイするというのも面白い。

総括

日本語未対応とはいえ、ブレイカーズのちゃんとしたネット対戦が出来るというだけでも2,000円の価値はあると思う。テンポが良く基本がシンプルなので対戦ツールとしても使い易い。

見た目的に色物っぽさが全開・全体的な陳腐さや地味さというマーケティング的な面で失敗(リリース時期も悪かった)したタイトルというだけで、純粋にゲームだけを見た場合は十分名作と言って良い出来だと思う。